マンション投資を行う場合には、約12年に一度共用部分の大規模修繕を行うための修繕積立金を管理組合に支払い、積み立てておく必要があります。この修繕積立金とはどのようなもので、積み立てを行う際の金額などどのような点に注意しておけばよいのでしょうか。また、一棟マンション投資を行っている場合にはこの大規模修繕に必要になる費用はどこから捻出するべきなのでしょうか。ここでは、修繕積立金の注意すべきポイントについて解説していきます。

修繕積立金とは

修繕積立金とは、建物の壁や屋上、エントランスなどの共用部分の状態を維持するためまたは修繕するために各戸のオーナーから毎月徴収し、積み立てておくお金のことを言います。この修繕は「大規模修繕」と呼ばれ、約12年に一度行われます。修繕積立金は分譲マンションを購入した場合に毎月積み立てるお金のことなので、賃貸マンションの場合には「修繕積立金」という名目で徴収されることはありません。賃貸マンションの場合には、その物件のオーナーが大規模修繕の費用を負担するために独自で資金を用意するので、入居者から修繕積立金を徴収する必要がないためです。

区分マンションの場合の修繕積立金に関する注意点

区分マンションを投資用に購入した場合、住宅ローン返済以外にも「修繕積立金」と「管理費」の支払いが必要となります。管理費はその物件全体の管理に使われる費用ですが、修繕積立金は共有部分の修繕や大規模修繕を行う際に使われる費用です。大規模修繕には莫大な費用が掛かることが多いため毎月各戸のオーナーで積み立てを行い、これらに備えて物件の管理組合が管理するという仕組みになっています。管理組合とは、そのマンションの各戸のオーナーで組織された組合のことです。修繕積立金は経費に計上できる支出ですが、修繕積立金が毎月いくら必要なのかは物件により異なります。同じような立地・築年数・間取りの物件では同程度の家賃しか設定することができませんが、その家賃収入から修繕積立費を支払うことになるので、修繕積立費として積み立てる金額は利回りに大きく影響します。そのため修繕積立金が高額であれば利回りが低くなり、手にすることができる利益が低くなるとともに、もしその物件を売却しようとした場合にも不利になるため、物件を購入する際には修繕積立金の金額にも注意するようにしましょう。

また物件を購入する前に、マンションの管理組合が修繕計画を持っているかどうかを確認しておくことも重要です。新築マンションの場合はマンション竣工時にオーナーによる管理組合が結成され、マンションの管理会社が修繕計画の提案を行ってくれます。そのため築浅の物件では管理会社が提案した修繕計画通りに修繕が実施されるので、修繕積立金では費用が賄えなかったり想定以上の大規模修繕が必要だったりというケースはあまりありません。しかし築年数がある程度経過した中古の物件では修繕計画がないこともあり、大規模修繕で予想外の支出が必要になるケースなども考えられます。このような理由から中古の区分マンションを購入する場合には、管理組合が修繕計画を持っているかどうかを購入前に確認しておくようにしましょう。また区分マンションを購入するとき、その物件の管理を管理業者へ委託する方も多いと思います。そのような場合には、業務を委託しようと思っている管理会社が修繕計画をしっかりと把握しているか、また長期修繕計画がきちんと整備されているかといった点をチェックしておきましょう。

一棟マンションを購入した場合には修繕金は誰が払う?

前述したように区分マンションであれば、各戸のオーナーが毎月修繕積立金として将来行う大規模修繕の費用を積み立て、またその計画も管理組合で決定することになります。しかし一棟マンションで不動産投資を行っている場合には、修繕費の捻出や修繕計画の作成などをオーナー自らが行う必要があります。大規模修繕工事を行う頻度は、約12年ごとと区分マンションと変わりありません。しかし、その費用はオーナー自らが負担しなければなりません。
そのため、家賃収入の中から大規模修繕にかかる費用を積み立てておく必要があり、その目安は家賃収入の5パーセント程度であると言われています。このように大規模修繕費用を積み立てていても、費用が不足してしまうことも考えられます。そのような場合に、修繕する個所を減らすことは絶対にしてはいけません。設備や外壁などに劣化が目立つ物件は、入居者に人気がないため新しい入居者が付きにくくなってしまうためです。また設備の不具合を放置していると、入居者が不便を感じ退去してしまうことも考えられます。そのため修繕費が不足している場合には、金融機関から融資を受けて修繕を行うことも視野に入れておきましょう。このような修繕に必要となった費用は経費として計上することができるため、領収書などを細大漏らさず受け取っておき確定申告の際に役立てるようにしましょう。

まとめ

ここまで、修繕積立金について解説してきました。物件の修繕に必要になる費用はオーナーが負担するため、区分マンションでは将来の大規模修繕に備えて各戸のオーナーが毎月修繕積立金として管理組合に積み立てるシステムになっています。また一棟マンションを所有し不動産投資を行っている場合には、オーナーが修繕費の全てを賄わなければならないこともお判りいただけたと思います。区分マンションを購入する場合に、修繕積立金は非常に重要なチェックポイントとなります。区分マンションを購入する場合には利回りや物件の本体価格のみに注目するのではなく、修繕積立金とその物件の修繕計画などについてもしっかりと調べてから購入を決定するようにしましょう。