不動産投資ローンを組む時に借入期間を決めますが、どのように決めればいいのか多くの方にご質問を頂きます。
それぞれにメリット・デメリットがありますが、購入者様がどのような投資計画を立てるかが重要です。本記事では、不動産投資における借入期間に長期、短期のメリットやデメリットを詳しく解説します。

借入期間が長期のメリット

借入期間が長期間の場合、大きく分けて2つのメリットが考えられます。借入期間が長期間の場合におけるメリットについて解説しましょう。

毎月の返済が少なく蓄えやすい

借入期間が長期の場合、同一金額を借り入れると長期と短期では長期の方が毎月の返済額が安いですね。つまり、毎月の家賃収入と返済額を差し引くと、手残りが残りやすいのです。不動産投資には、一定期間において長期修繕の費用負担や突発的な修繕など、ある程度の支出も計算しておくことが大切です。借入が長期間になると、毎月の支払いが抑えられ、キャッシュが緩和されます。つまり安定した賃貸経営が見込め、修繕費に対する備えもしやすいといえるでしょう。

長期保有により売却時に税制面で有利

長期保有しながら、いずれ売却益が見込める段階になったときに売却するという出口を取ると、5年以上保有することで、税制面でメリットが出てきます。不動産の売却における譲渡税は、保有期間が5年以上か5年以下かで大きく異なります。不動産を5年以上保有したうえで売却すると、5年以下の保有期間と比べ、譲渡にかかる所得税や住民税の税率が半分以上も安くなるのです。長期借入を選択し、キャッシュフローを良好にしながら、5年以上の保有期間を待って売却すると効率的な不動産投資が期待できます。

借入期間が長期のデメリット

長期間の借り入れは、毎月の返済額を抑え、キャッシュフローが緩和することが大きなメリットといえるでしょう。次に借入期間が長期の場合に起こりうるデメリットについて解説します。

トータルの返済は短期借り入れよりも多くなる

長期間にわたる借入で毎月の支払いを抑えることはできますが、トータルの返済額になると、短期間の借入よりも返済額は多くなります。具体的に例を挙げて解説しましょう。
① 借入金が1,000万円 金利1.0% 借入期間10年 元利均等返済
② 借入金が1,000万円 金利1.0% 借入期間20年 元利均等返済
のケースで毎月の返済額とトータルの返済額を比較します。
※ 三井住友銀行「ローンシミュレーション」より算出
① の場合
毎月の返済額を算出すると、87,604円となります。
年間の返済額は、87,604円×12ヶ月=1,051,248円
借入期間が10年間なので 1,051,248円×10年間=10,512,480円が総返済額です。
② の場合
毎月の返済額を算出すると、45,989円となります。
年間の返済額は、45,989円×12ヶ月=551,868円
借入期間が20年間なので 551,868円×20年間=11,037,360円が総返済額です。
10年借入の総返済額 10,512,248円
20年借入の総返済額 11,037,360円
11,037,360円(20年)-10,512,248円(10年)=525,112円
上記のケースにおいては長期返済の方が、総返済額が高くなることが分かります。長期間借入におけるデメリットといえるでしょう。

金利変動リスクが短期よりも多くなる

長期借入となると金利変動のリスクも考えておく必要があります。借入期間中、ずっと固定であるならば問題はありません。しかし、変動金利を選択している、固定金利期間が終了しても借入金の返済が終わらない、ケースにおいて金路上昇に伴う返済額の負担が増すことも考えられます。長期借入になればなるほど、先々の金利変動がどのように変化していくかは場合によってはリスクとなる可能性があるといえるでしょう。

借入期間が短期のメリット

借入期間が長期間の場合におけるメリットやデメリットについて述べてきました。次に借入期間が短期の場合におけるメリットやデメリットについて解説しましょう。

トータルの支払いが少ない

借入期間が短期におけるメリットは、長期に比べるとトータルの支払いが少なくなる点が挙げられます。毎月の返済額が多く、借入期間も短期なので、一気に返済してしまうイメージですね。長期間の借入は安定している反面、利息額がトータルとすると高くなってしまいます。返済総額については短期借入の方が有利といえるでしょう。

すぐに資産となり自由度が高い

短期間で一気に返済するイメージですので、返済期間が短く、すぐに自分の資産となります。自分の資産となると、すぐに売却しても良いですし、借入期間を終えると返済額がなくなるので一気に不動産経営が楽になるといえるでしょう。長期間の借入の場合は、金融機関の抵当権が設定されているので自由に売却などがやりにくい面があります。しかし、ローンの支払いも終わると自由に運用出来ますので、メリットといえるでしょう。

借入期間が短期のデメリット

次に借入期間が短期の場合におけるデメリットを解説します。

毎月の返済が圧迫し蓄えが少ない

借入期間が短期のため、毎月の支払いが長期間の借入と比較すると高くなってしまいます。そのため、常に高入居率を維持しなければいけないので、空室が多くなると、手残りが非常に少なくことがあるのです。しかも長期間の借入に比べると蓄えが少なくなってしまうため、突発的な修繕や取替工事まで行うと。全く収益を生まないどころか赤字にもなりかねません。自己資金や運転資金に余裕がないと、さらなる借入といった要因も考えられるでしょう。

すぐに資産となる分、税金が高くなる

毎月返済の利息は、不動産投資においては経費と計上されるので所得税をおさえることにも繋がります。しかし、短期間で借入を終えてしまうと、家賃収入から一部管理費を引いた金額が手残りとなるため、所得税の支払いが高くなってしまうことがデメリットのひとつです。日本は累進課税なので所得が多ければ多いほど所得税率が高くなり、納める税金が増えます。税金が高くなってしまう点もデメリットのひとつといえるでしょう。

長期借入と短期借入どちらがおすすめ?

では、実際に、短期借入と長期借入はどちらが良いのでしょうか?基本的には、投資の状況も異なるので一概にどちらが良いとはいえません。しかし、長期運用が不動産投資の特徴でもあるので、長期間の借入を選択し、毎月の負担を抑え、安定経営を目指します。そしてある程度資金が溜まり、修繕費用の目途なども付いたら繰り上げ返済を行いましょう。すると毎月負担をかけずに安定したまま運用ができて、余裕が出たときに返済するので、安心感も違います。まずは、長期間の融資によって手残りを増やすことが得策といえるでしょう

まとめ

不動産投資における借入期間の決定は、今後の不動産投資における収益を決定するとても大切な決定事項です。自分が求める不動産投資において、どちらがよりメリットがあるのかを考えて選択しましょう。長期間の借入を希望しても購入する物件が古く、短期でしか借り入れられない場合もあります。依頼した金融機関の担当者や不動産会社の担当者と連携して不動産投資を行いましょう。不動産投資に興味を持っている人、実際に取り組もうとしている人の参考になれば幸いです。